欲に囚われるな。チームが動かなければ株式なんて無価値。
よくある話をします。
株式会社を作る時に、必ず起こるトラブルが、誰がどれだけ株式を持つかです。
企業売却や上場する時に、株式を多く持っている人が、より多く報酬を得られるからですね。
実は、この配分が上手く決まらず、永遠と事業が動かないケースがあるんです。
これは、完全に無駄そのものでしかありません。
では、どういったケースが多いかと言うと、出資者が株式の大半を持つケースです。
大抵、出資者が代表を務めるケースが多いですので、基本的にはリーダーです。
例えば、リーダーが一緒に働いてくれる仲間を集めようとしますね。
ただ、最初は満足のいく給料なんて出せません。
それでも、優秀な仲間を見つけようとするなら、渡せるものは株式しかないのです。
将来の価値になる株式を渡すからこそ、給料が少なくても優秀なメンバーを巻き込めます。
ところが、7割〜9割、リーダーが株式を持つと言い放つために、なかなかメンバーが乗らないわけです。
給料も出せない、かつ株式も渡さない、それでは、良い人材が集まるはずもありません。
一緒に働く人は、ちゃんと考えられる人であればあるほど、株式について見ています。
リクルートで株は交渉材料になる。
51%以上を持っている人が会社の最終意思決定が出来ます。
ですので、最初は51%を自分が持ち、あとは組んでくれる仲間に分配すべきです。
そうすることで、仲間のモチベーションも上がり、協力的に動いてくれるようになります。
特に、技術を担当する人間には、きちんと配分すべきです。
商品やサービスを作り出す技術が無ければ、成り立たないわけですから。
もっとも最悪なケースが、代表があまり稼働しないのに、株だけ持つ場合です。
あまり働かないのに、多くの株を持っていることは、たとえ出資者でも不満をもたれるでしょう。
しかも、もし出資した額が大したことないとなれば、なおさらです。
少額の資金を出した程度で、大半の株を持ち、働かないとなれば、嫌われても仕方ありません。
その内情を知っていれば、皆、一緒の会社で働くことは無いでしょう。
チームがいなければ、事業の成長は鈍化します。
だいたい3倍違うと言われます。
鈍化どころか、成り立たないかもしれません。
だからこそ、自分の欲だけに捉われず、公平感を考えていく必要があります。
自分の欲でプロジェクトが遅延することが、もっとも大きな損失です。
基本的に株式とは、リクルートにおいて交渉材料となるものです。
資金調達時に使うものでもありますが、まずはリクルートです。
優秀な人材を確保したい、渡せるものが無いけれど、巻き込みたい人がいる。
そんな時に、株式を使うことになります。
代表も会社においては役割の1つにしかすぎない。
自分がお金を出すからと言って好き勝手は出来ません。
チームが動かない会社は無価値も同然です。
仲間が動いてくれなければ、何一つとして、意味がないのです。
代表一人で事業を延々と回していくなんてことは、不可能と言っても過言ではありません。
チームや中で働いている人、イコール、会社の価値なのです。
特に小さい時ほど、人材がそのまま会社の価値になることが多いです。
代表も、ファウンダーも、会社にした時点で1つの役割にしかすぎません。
あまり欲張りすぎないようにしましょう。
給料が多く払えないなら、株式を配分することで士気をあげましょう。
その上で、代表が全力で働き、リーダーシップを見せれば、大抵チームはまとまります。
大して働くことなく、取り分が多く、さらに出資金も少ないリーダーは誰だって嫌です。
しっかり分け与え、かつ一番結果を出し、皆を鼓舞するリーダーに人は付いてきます。
結果的に、自分1人で進むよりも、何倍も大きな成果を出せるようになるのです。
僕が関わったケースであるあるパターンが、代表がお金を出すものの、実務能力は皆無。
大した額でもないため、定期的に支払える給料も無く、かつ、株式のほとんどが自分と言って聞かない。
永遠とチームが出来ないと嘆くわけですが、それはそうだろという話です。
より多くの成果を出すためにチームを作るのです。
中途半端な関わり方をする人数名に、少しずつ手伝ってもらっても仕方ありません。
しっかりとコミットしてくれる人を獲得し、良いチームを作って業績をあげてもらいましょう。
僕は、日本の株式会社は特に、代表に株式が偏りすぎているように思います。
しかも、皆が株式に大して無知なので、そこにつけこもうとする人が多いように思います。
最初から明確に説明し、それでなお、公平感を得た上で、進んでいきましょう。
きちんと納得して進んでいくことによって、企業はより大きな枠で成長していくことができます。