AIエージェントに任せていい仕事、絶対ダメな仕事
AIエージェントの特徴と限界

まず一言:AIは「疲れない助手」であり、一方で「空気は読めない同僚」です。私も最初に大量ログの傾向を一瞬で出されたときは思わず「へぇ!」と声を上げましたが、その驚きと同時に「これだけで決めていいのか?」という不安も残りました。
得意なことはパターン検出や高速な集計です(例:大量のサポートチケットをクラスタリングして上位の問い合わせを素早く抽出する)。一方で苦手なのは責任判断や場の空気の読取です。「最適解」は過去データに基づく確率の高い答えであり、法律や倫理、利害関係者の微妙な反応までは評価できません。専門用語:ハルシネーション=AIが事実でない内容をあたかも真実のように出力する現象。
参考(筆者メモ・例示):SERENDEC(AIの強みと弱みの整理)やAIworkerの考察を参照しています(出典は本文末にまとめて記載)。
任せて効率化できる業務例

私が導入して即効性を感じたのは、会議の議事録自動要約とFAQチャットボットです。以前は議事録作成に30〜60分かかっていましたが、AIの一次要約で要点抽出が数分になり、最終手直しも10分程度に短縮されました。結果、情報確認のための余計なやり取りが減り、意思決定までの時間が短くなりました。
他の実務例は次の通り。
データ集計、SNSの口コミ収集、エラーログの異常検知。たとえばSNS数万件の投稿を感情分析して顧客不満の起点を探したり、ログ監視で異常パターンを検出してアラートを出す、といった運用です。私の経験では、リリース後のエラーパターン監視で従来より早く異常を検知でき、復旧時間が短縮しました。
導入のコツ(実務チェックリスト):
小さな業務で試す→編集者が最終確認をするワークフローを作る→入力データを事前にクレンジングする。こうした小さなルールが誤情報を防ぎます。
任せてはいけない業務の例

私の失敗談
議事録の自動要約をそのまま社内決裁に回したところ、「期限」が抜け落ちて指示が不明確になり納期遅延を招きました。この経験から重要決定は必ず人が最終判断するルールにしました。
要点:AI出力は参考情報、最終責任は人が持つ。
典型的にAIだけに任せるべきでない場面
契約の最終合意、採用の最終判断、手術や重要インフラの安全判断、感情を伴うクレーム対応。これらは人命や重大な責任が直接関わるため、AIは補助に留めるべきです(一般原則)。
法務面の注意
個人情報を含む処理や契約文書の自動生成では、法務チェックと適切なログ保存が必須です。過去事例では、AI生成文言の誤解を招く表現の修正に想定以上の工数がかかりました。
実践:人とAIの役割分担法(私の三段階チェックモデル)

私が提唱するのはシンプルな三段階です。
- 1) AI:大量処理(データ整理・一次要約・候補生成)
- 2) 担当者:出力の精査・修正、
- 3) 決定者:最終承認・責任を取る。
日々の運用では、担当者がAI出力を「合格/修正/却下」で即判断し、決定者は短い承認コメント(なぜ承認したか)を残すルールにしています。
AIは「下ごしらえ係」、人は「料理人」。プロンプトテンプレートと期待出力フォーマット(箇条書き・根拠付き短文など)を統一しておくとチェックが楽になります。具体フロー例も一文で示すと実行しやすいです。例えば、AIが仮説+数値を出す→担当者が現場事情で修正→責任者が承認+承認理由とエスカレーション案を記載といった流れなどがあると便利です。
導入前チェックと結論(すぐ試せるワンポイント)

導入前の最低チェックは次の三つです:
- 1) ルール(誰が何をするか)が明確か
- 2) 誤りのリスクは許容範囲か
- 3) 最終責任者が決まっているか。
これらを文書化し、関係者の同意を取っておくと事故防止になります(筆者は最初にこれを怠り反省しました)。
まずの一歩(おすすめのワンプロセス):毎週の社内FAQ更新プロセスをAI化して、編集者が最終チェックをする流れを試してください。成果を月次レビューで振り返るだけでも信頼度は上がります。私の場合、毎月1回のサンプルレビューを続けたことで現場の信頼が明確に向上しました。
結論:AIは「疲れない助手」として有用ですが、最後の価値判断は人間です。段階的に、小さく試して改善していきましょう。
出典(参照例):SERENDEC(AIの強みと弱み):
https://www.serendec.co.jp/blog/ai-strengths-weaknesses/、
しまだ(note):
https://note.com/shimada_g/n/n3e8e80c1039d
AIworker(note):
https://note.com/ai__worker/n/ndc3217c36b5f
まずはワンプロセスを選び、三段階チェックモデルを回して小さな成功体験を作ってください。