僕的にベストなWEB制作の流れ
これまでのセオリーや常識を疑えというのは、今の時代におけるビジネスの基本でもあるのですが、WEB制作の流れについても同じことが言えるのかなと。
そもそもWEBサイトはなんのためにあるのか、というと、その大半は、ビジネスで売り上げを出すためです。確かに、中にはとりあえず「あればいいだけのWEBサイト」もあります。例えば、何かの申請に必要なだけで、ビジネス自体はWEBを通して提供する予定はないとか。
ただ、お金をかけてWEBサイトを作る理由の大半は、間接的であろうがなんであろうが、最終的に「事業の売り上げをあげる」ために他なりません。
なので、やはりWEBサイト制作は「売り上げの向上に貢献できなければ」そのほとんどの存在が無意味と言って良い存在になります。アクセスもなく、誰に見てもらえることもなく、ただ存在するだけ。あっても無意味です。
WEBで売り上げを継続的に成長させるには?
じゃあ、どうやってWEBサイトで売り上げをあげるかですが、最終的に売り上げを継続的に向上させるには、下記の4つが必要になります。
- WEBサイトへの集客導線や企画
- 広告やコンテンツの出し方
- 企画と連動したWEBサイト
- 満足度の高い商品やサービス
この4つが連動していなければ、大きく売り上げが伸びることはありません。
例えば「導線」がなければ、どうなるでしょう。単純な話、WEBサイトを見た1,000人に1人が購入するプロダクトだとして、日に10人しかこなければ、最初の1つが売れるまでに100日かかります。
またマーケティングの企画、広告やSNSで「安さ」を売りにして発信しても、WEBサイトが「質」を売りにしていたら、広告から訪れたユーザーはイメージが異なるので、すぐに離脱してしまうでしょう。「広告や発信から訪れたユーザーにとって」適切な情報を提供しなければ、効果は出ません。
さらに、導線と適切な情報が揃っても、商品やサービスに対してネガティブなフィードバックが多ければ、いくらWEBや導線がよくても、中長期的には売れません ( 一時的に売ることはできるかもしれませんが ) 。
なので、本来、売り上げを向上させるということは、マーケティングの企画が必要ですし、そのマーケティングの企画や導線があって初めて、どんなWEBサイトを作れば良いか設計できます。さらに、集客して集めたフィードバックから、商品やサービスそのものを改善していくことが密接に連動するからこそ、長期的に結果の出るWEBサイトとして機能するのです。
WEBサイトとは、単体でどうにかなるものではなく、他の要素と連動させて、初めて効果の出る歯車と言ってもいいかもしれません。これは、僕自身がゼロイチで事業を作ってみて、かなり強く実感しました。
WEBサイトだけ作って売り上げがあがるのは、WEBサイトの仮説がたまたまうまくハマり、最初から知名度があって多くの人が見に来ていて、かつ商品やサービスの質がめちゃくちゃ良い場合です。さらに競合も弱い場合でしょう。大企業の有名ブランドや究極に優れたプロダクトを最初から持っていれば売れるかもしれませんが、大抵、そういうわけにもいきません。
こうした状況でWEBサイトを使い、効率的に売り上げを上げる方法は「集客」「情報 ( WEBサイト ) 」「プロダクト」の3つを横断的に考え、個別ではなく3つを連動させた企画や設計をすることでしょう。そうした人材、もしくはチームが制作すれば、飛躍的に売り上げをあげることも可能です。または、特定の業界に対し、圧倒的に特化していて、かつ時代にあった常勝パターンをもっているかです。
実際にどんなフローで制作する?
では、どのようなWEB制作方式が「売り上げをあげる」という問題に対し解決策を提示しやすいか。事業を作った経験も交え、下記のようになりました。
- 業界についての情報を集める
- 売り上げを阻害する本質的な問題を探る
- 問題解決手段の仮説を5個以上つくる
- 解決手段に沿ったマーケティング施策を考える
- マーケティングに沿ってWEBサイトのプロトタイプを作る
- 高速でリリースして効果検証する
- 改善を繰り返し、最終案に到達
- WEBサイトの完成版をつくりマーケティングを実施
- 商品やサービスの意見もあつめ改善案を顧客にフィードバック
- 併走しつつ人材を育成し改善を自社内でできるようにする
このステップを自分なりのWEB制作フローとして、サービスに組み込んだところ、めちゃくちゃ売り上げ上がりました。なお、既存のWEB制作会社にこの方式を組み込むとしたら「最終案以外はディレクターの役目」になると思います。プロトタイプ作って結果に応じて改善することもです。
やってみるとわかるのですが、よほどディレクターの気持ちを組んでくれるクリエイターさんがパートナーでない限り、ディレクターだけで実施した方が早いためです。また、細かい改善が膨大にくると、おそらくクリエイターさんはめちゃくちゃ嫌がります。事前にそういう仕事内容だということを認知してもらう必要があるかもしれません。
僕自身、こうした手法を受託業務にも取り入れ、順調に結果も出ていました。依頼も週に3件は黙っていても相談されました。ただ、僕自身は、すぐに受託業務を増やすことはやめたんですね。
自分のサービスでこれをやればいいと思いましたし、実際それで成り立つことに気づいたからです。今は、ごく限定したクライアントさんに対してしか、受託制作を請け負っていません。
なお、受託の際、資料はシンプルな内容しか作りません。相手を納得させるための分厚い資料が無駄と感じましたし、次に打つ施策や制作の根拠が伝わればいいだけですので、ほとんどまともな資料は作っていません。それでもクライアントさんは増え続けました。もし資料が必要だと思う方は、ご自身でここに資料制作を組み込めば良いと思います。
活動の幅をアップデートするために
WEB制作の方法は色々ありますが、WEBサイトからの売り上げを意識せず、WEB制作案件が完結する状況は、そんなに無いと思います。
ところが、今の仕事観だと、WEB制作する人はそこまでマーケティングは深く考えずに、見た目やブランドとしていかに綺麗に作るかが、やはりまだまだ強いのかなと思います。
それも大事なのですが、時々ディレクターさえ売り上げがどうだったか結果を知らない状況であったり、デザイナーやエンジニアに関しては、一切自分が作ったものの結果を知ることも無い、というケースも多いのが現実です。
だからこそ、フリーランスとして、または企業として、クライアントはWEBサイトをしっかり作るというよりも「ビジネスに対して貢献して欲しい」ということに視点を当ててサービスを提供するだけで、仕事の幅が相当広がり、営業もだいぶ楽になると思います。
そして、こうした視点やスキルを得るには、自分でサービスや商品を作って売って見ることが一番です。事業を一通り作ってみることは、起業家や経営者の気持ちがわかるだけでなく、マーケティングから事業デザインまで一通り習得できる、究極の「レベル上げ」だとおもいます。収入源も増えますし。僕は自分で事業を作ってみたことで、人生が一変しました。
ということで、今、WEBデザイナーやエンジニアを目指して勉強している方や、仕事の幅を広げていきたいクリエイター、ディレクターの方は、ぜひ参考にしてみてください。活動の幅を広げ、さらにキャリアをアップデートするきっかけになるかもしれません。