金儲けのための事業はするな。WeWork創業者から学ぶ成功の秘訣。
WeWorkをご存知でしょうか?
世界で最も成功しているシェアオフィスで、先日、ソフトバンクも大規模な投資を発表しました。
単純なシェアスペースとしてではなく、コミュニティの育成に力を入れています。
WeWorkの時価総額は、2017年に20億ドルを突破し、勢いは衰えません。
「全ての人の働き方と暮らし方を変える」をビジョンとして拡大を続ける同社。
先日、WeWorkは日本上陸を果たし、筆者もオープニングパーティーに足を運んできました。
コミュニティに注力している、というだけあって、活発に人々が交流する様子が見受けられました。
そんなWeWorkの共同創業者であるアダム・ニューマン最高責任者(CEO)。
先日、ニューマン氏は、Forbesのインタビューに成功の秘訣を語っていました。
その中で、最も印象に残った言葉があるので、紹介します。
善意が企業に10億ドルの価値をもたらす。その逆はない。
完全に個人的欲求を満たすことに傾きすぎた日本には、痛烈に響く言葉ではないでしょうか。
ようするに「金儲けを目的に事業をするな」ということです。
事業とは基本的に問題解決を軸としています。
誰かの問題を解決したり、世の中を進化させることが、結果的に事業を伸ばす起爆剤になるのです。
誰かに提供した善意が、お金になって返ってくるのが、事業の基本です。
「今やっていることが金儲けのため、あるいは評価額10億ドルの企業をつくるためなら、与えられる機会を自分で狭めている」
起業したい、お金持ちになりたい、そう話をする人々はたくさんいます。
彼の言葉は、そういったモチベーションでは、元から少ない可能性をさらに狭めることを意味しています。
では何が可能性を広げるのかと言えば「善意」ということです。
その逆は存在しないのです。
筆者はこの話を聞いて、米ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校のスティーブン・スキーナ教授の言葉を思い出しました。
彼は英国BCCの放送に対し「企業が発信するメッセージを拡散させようと努力すればするほど、成功率は下がるだろう」と語っています。
この言葉については同じくForbesの記事「魂を売らずにバイラルコンテンツを作るための秘策」で紹介されています。
バイラルコンテンツを作るのも、10億ドルの企業を作るのも、本質的に同じことを話しているのです。
魂を売らずにバイラルコンテンツを作るための秘策では、こう語られています。
ネット拡散を実現するための秘策が1つある。それは、「誠実である」ことだ。
記事を拡散しようと、ユーザーを「釣る」ような記事を書いたとしましょう。
例えば、ペットシャンプーを売るために、ペットの健康管理について書くような記事です。
相当うまくごまかせる人ならば、上手に書けるかもしれませんが、大抵は失敗します。
ユーザーは愚か者ではないので嘘は簡単に見抜くことが出来るからです。
そうしたユーザーを釣るための記事は見抜かれ、シェアされることもないでしょう。
では、どうすればいいかと言えば「情熱と誠意を徹底的に込めて語り尽くす」ことです。
情熱や熱意が込められた記事であれば、共感した人たちが、拡散してくれるかもしれません。
そうでなくても、同じく情熱のあるユーザーが気に入ってくれることでしょう。
拡散しなくても拡散しても、情熱があって誠実な記事には、ファンがつくのです。
どちらに転んでも、良い結果が待っているのです。
この話は「善意が10億ドルの企業を作る」という意味と本質的には同様です。
釣ることなく、本質的に誰かのために情熱をかけてプロダクトを提供しろ。
本質的に役に立つものを提供すれば、ユーザーはお金を支払ってくれる。
結局のところ「誠実であれ」「善意的であれ」というところに拡散のヒントがあります。
すべての共通する法則であり、最低限あるべき姿ということでしょう。
これが、案外難しいことであるのは分かっています。
筆者自身、何度も何度も「誘惑」に釣られそうになりました。
ただ、結局何が成功しているかというと、純粋に誰かのために本気で熱意を込めた時なのです。
極めて善意的であり、誠実であった時にだけ、ユーザーは反応してくれるのです。
事業をしていれば、迷う時はあるかもしれません。
悩んで、お金がなくて、脇道にそれてしまうこともあるかもしれません。
ですが、本質的に何が人を惹きつけるかと言えば、善意や熱意といった純粋な在り方です。
たくさんの誘惑を振り切って、より本質的なものに力を注ぎましょう。
そうすれば、必ずみなさんには大きな価値として返ってきます。
魂を売らずにバイラルコンテンツを作るための秘策
https://forbesjapan.com/articles/detail/18028
WeWork創業者が語る成功のカギ 「儲けるための事業はするな」
https://forbesjapan.com/articles/detail/17957