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あのサービスも複業だった! サイドプロジェクトが成功を作る複業時代。

事業を始めるとなると、会社を辞め、独立してやらなければ上手くいかない、というような先入観がある。
だが、世の中のサービスを見てみると、案外、複業から生まれたサービスが多いことに気づく。今、世界中で使われているサービスでさえ、複業スタートであることが多い。
今回は、複業(サイドプロジェクト)からの成功例を、いくつかあげていこう。複業からスタートする事業が、侮れないことが身にしみて理解できるだろう。

まずTwitterもサイドプロジェクトからのスタートだ。
一時期有名になったOdeoという会社がある。
Odeoが会社の方針を決めようとしていた際、エンジニアのジャック・ドーシーが発案したのがTwitterだった。
当時のtwitterのアイディアは、簡単に自分の近況を周囲にシェアするものだった。
そこで、OdeoのサイドプロジェクトとしてTwitterをスタートさせることになり、今に至る。
なお、Odeoがメインで進めていたのは、SMSの開発だった。

Instagamもサイドプロジェクトだ。
Nextstopという会社があり、そこにケビンというマーケターがいた。
ケビンはマーケティングの仕事をしており、エンジニアではない。
だからこそ、サイドプロジェクトを始めるために、プログラミングを勉強した。
週末と夜を利用して、プログラミングを学んだのだ。
結果的に、最初はBurbnという地域に根ざしたサービスを開発した。
Burbnは上手くいかなかったが、その中で、写真の共有機能を気に入ってくれたユーザーが多かった。
そこで、写真機能だけを取り出して、作り上げたのが、今のインスタグラムだった。

コミュニケーションツールの代名詞であるSlackもサイドプロジェクトだ。
SlackのファウンダーであるStewart Butterfieldは、もともとオンラインゲームを作ろうとしていた。
そんなオンラインゲームを開発するためのコミュニケーションツールとして生まれたのが、Slackなのだ。
なお、以前、写真共有サービスとして流行ったFlickrもStewart Butterfieldが片手間で作ったものだ。
本業であったはずのオンラインゲームは、ものになっていない。

誰もが知るFacebookも、マークザッカーバーグのサイドプロジェクトと言っても良い。
それは、彼の「会社にしようと思っていなかった」という発言からも読み取れる。
Facebookの誕生秘話に関しては、映画や書籍でも膨大に紹介されている。

今や、エンジニアの間では欠かせないコラボレーションツールGitHubもサイドプロジェクトからだ。
GitHubは、ボードメンバーのPJ、Tom、Chrisの3名が週末や夕方以降の時間を使って開発していた。
オフィスも構えておらず、家やカフェ、そして自身の開発したGitHubを使ってコミュニケーションをとった。
インターネットのコミュニケーションを使い、オンラインにオフィスがあるようなイメージでの開発だ。
この文化は、現在もGitHub社内に受け継がれており、社員は全員リモートワークが主体だ。

Googleの20パーセントルールも有名だ。
Googleには、時間の20%を自由なプロジェクト開発に使っていいとするルールがある。
こうしたサイドプロジェクト推進から始まったのが、Gmailであり、Adsenseだ。
今や、世界中に広く使われるサービスとなっている。
基本的にGoogleは事業化集団なのだ。

Uberもサイドプロジェクトからスタートされたようだ。
今や、世界で最も影響力のあるスタートアップとなり、世界を席巻しているのは、ご存知の通りである。
セクハラを起点とした社内文化のあり方とトラブルで、大変なことになってはいるが。

このように、サイドプロジェクトや複業から生まれたサービスは多い。
世界中に浸透しているITサービスのほとんどが、サイドプロジェクトと言っても過言ではない。
複業だから、サイドプロジェクトだからと言って、決して馬鹿にしてはならないのである。

サイドプロジェクトや複業が成功しやすいのはなぜ?

では、なぜサイドプロジェクトがこうも成功するのだろうか。
実際、筆者自身、思い当たる節がいくつもある。
上記の起業事例に対し、私が意見を並べるのはおこがましい気もするが、経験談として聞いてもらえると嬉しい。

まずサイドプロジェクトは売上を気にしなくても良い。
ひたすら、自分が作りたい、実現したいものを、ワクワクしながら作ることができるのだ。
投資家からのプレッシャーもなければ、嫌な上司や面倒臭い規律のようなものもない。
便利なものを作りたいという一新で、プロジェクトを進めることができる。
この、重圧感が存在しないことが、良い意味で結果に繋がるプロダクトを生み出すのだ。

実際、良いプロダクトは世の中が欲しがるものを純粋に追い求めたものだ。
問題を解決したり、社会を便利にすることが、結果に直結する。
そこに例えば納期だったり、プレシャー、他の邪念が入ると邪魔なのだ。
シンプルに、皆の役に立つものを作っている時に、ああでもないこうでもないと追い込まれる。
だからこそ余計な邪念が入り、本来作るべき良いプロダクトから遠ざかってしまう。

サイドプロジェクトや複業の場合、そういった邪念が一切ない。
シンプルに世の中にとって役立つものを追求できる。
ワクワクするし、楽しいし、自由にできる。
純粋に、良いもの、便利なサービスを追い求めることができる。
だからこそ、成功と結びつきやすい一面がある。
シンプルかつ純粋に便利であることを追い求める姿勢が貫けるのである。

サイドプロジェクトや複業にも弱点はある。

だが、サイドプロジェクトや複業の悪い面もある。
自由だからこそ、だらけてしまうことが多いのだ。
いつまでに完成させようと日程が決まり、プレッシャーがあると前に進めざるを得ない。
プレッシャーがなければ、人は先延ばしにしたり、途中で辞めてしまったりする。
これでは、いかに優れたプロジェクトでも、全く意味がない。
アイディアだけでは、世の中に対して何も意味をなさないのだ。

また、本業が忙しくなってしまって、複業やサイドプロジェクトに手が回らないこともある。
こうした時間のロスが発想力や開発速度を鈍化させる。
本来3ヶ月で終わるはずだったものが、半年になり、1年になる。
そうしているうちに競合が現れ、自分たちの発明を奪っていってしまうのだ。
サイドプロジェクト、複業として始めることのデメリットは時間である。
時間にルーズになってしまったら、サイドプロジェクトのメリットは、たちまち消える。
サイドプロジェクトであるからこそ、時間を大切にしなければならないのだ。

時間というデメリットを管理できれば、サイドプロジェクトは事業立ち上げに最も良い環境と言える。
自由に想像力を発揮し、本当に便利なものを作り出す。
シンプルに、純粋に、世の中にとって価値のあるものを生み出すには最良の環境と言えるだろう。
複業であるからこそのメリットを、最大限活用していくべきである。

事業を立ち上げるからといって、必ず独立しなければならないわけでもない。
もっと気軽に「こんなのやってみました」と言った感覚で良いのだ。
最小単位で始めれば、大きなリスクを背負うこともない。
事業を作るということは、今や気軽に誰もが始められることなのである。
今回はITサービスの例を出したが、他の事業やサービスでもそうだ。
少し実験してしまいまた、くらい気軽に初めてみれば良い。

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